気候変動による影響を明示的に考慮した海岸保全への転換 ~「気候変動を踏まえた海岸保全のあり方提言」とりまとめ~
令和2年7月8日 国土交通省が農林水産省と共同で設置した「気候変動を踏まえた海岸保全のあり方検討委員会」により、「気候変動を踏まえた海岸保全のあり方提言」がとりまとめられました。
本提言を踏まえ、海岸保全における気候変動適応を具体的に進めるため、過去の高潮・波浪の実績のみに基づく対応から気候変動を考慮したものへ転換していきます。
○ 国土交通省は農林水産省と共同で「気候変動を踏まえた海岸保全のあり方検討委員会」 (座長:佐藤愼司高知工科大学教授)を令和元年10月から7回にわたり開催し、海岸における気候変動適応策を具体化すべく、気候変動に伴う平均海面水位の上昇や台風の強大化等による沿岸地域への影響及び今後の海岸保全のあり方や海岸保全の前提となる潮位や波の考え方、気候変動を踏まえた整備手法等について検討を行ってきました。
○ このたび、「気候変動を踏まえた海岸保全のあり方 提言」がとりまとめられ、8日、佐藤愼司座長から国土交通省及び農林水産省に提出されました。
【提言の主なポイント】
・ 海岸保全を、過去のデータに基づきつつ気候変動による影響を明示的に考慮した対策へ転換。
‣ パリ協定の目標と整合するRCP2.6(2℃上昇相当)を前提に、影響予測を海岸保全の方針や計画に反映し、整備等を推進。
‣ 海岸保全の目標は RCP2.6を前提としつつ平均海面水位が2100 年に1m程度上昇する悲観的予測 RCP8.5(4℃上昇相当)も考慮し、これに適応できる海岸保全技術の開発を推進、取り組む体制を構築。 など
【とりまとめ資料】
1.気候変動を踏まえた海岸保全のあり方 提言【概要】※添付資料
2.気候変動を踏まえた海岸保全のあり方 提言【本文】
とりまとめ資料及び検討委員会に関する資料は、下記URLからご覧下さい。
https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/hozen/index.html
○ 国土交通省と農林水産省では、本提言を踏まえ、海岸法に基づく「海岸保全区域等に係る海岸の保全に関する基本的な方針(海岸保全基本方針)」の変更に着手するとともに、海岸における気候変動への適応策を具体化していきます。
詳細は、こちらをダウンロード下さい。